うつの病気に関する知識を習得【再発を防ぐためにも病院は有効】

変化に躓きやすい

診察

遺伝的か心理社会的か

うつ病の原因に関しては様々なことがいわれていますが、そのひとつが本人の性格です。うつ病を発症している人には往々にして共通した性格が観察されています。マジメで正直、熱心といった実直な人柄です。仮にこの人がサラリーマンならば雇い主にとっては頼りになる人物ですが、全てがプラスになるとも限りません。柔軟性や機転を利かせる場面ではある種の軽快さや闊達さに欠けるところがあるからです。また、他人や周囲へ少なからず気遣ったり配慮したりする性格でもあります。自分が我慢してでも和を重んじるため、残業でも不満を言わない、プライベートの時間を犠牲にしてでも会社の集まりには参加しがちです。いささか働きすぎて周囲に気の毒がられるぐらいでちょうどいいと感じている人が多いです。こうした性格傾向の人は、自分のペースで仕事をこなしていくぶんには極めて有能で本人もそれを自覚しており、自尊心とイコールになります。ところが部署移動や仕事内容の変更、なじみのないシステム導入など変化が起こったときに親和性のある性格傾向の人は、そつなく対応していくことができません。そこで精神的に不安定となり発症することが多いです。遺伝がうつ病を発症する重要な要素であることは間違いありません。しかし、それはひとつの遺伝子で発症が決まるような単純なものではないので、いわゆる遺伝病とは異なります。高血圧や糖尿病のように発症しやすさは遺伝しますが、ほかの要因でうつ病が生じていることが多いです。その上で、現在あきらかにされていることは、うつ病の罹患者の親、子、兄弟は通常より2、3倍発症しやすいという見解です。遺伝的要因は大きいものの、全体で見ればその関与は相対的に少なく心理社会的な影響がより大きいと考えられています。その心理社会的要因に含まれるのが、生活上のストレスです。具体的には11歳以前に一方の親を失う、大人になってから配偶者を失う、そして失業が危険因子としてあげられています。加えて、自尊心が傷つけられるようなストレスを体験するという研究報告もあります。実際に2回目以降よりも、初回のうつエピソードの前にストレスの多い生活上の出来事が確認されており、ストレスが脳に持続的な変化をもたらすのではないかと仮説がたてられているのが実情です。これは神経伝達物質の関与という生物学的な要因につながります。

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